「萌え」後日談

松山での学会懇親会の折、業界の大先輩にとある作家さんの資料を所望した*1。数日後、職場にその資料が届いたのだが、そこに掲載されていたエッセーのタイトルが「表現が萌える豊穣の壁を見た−…(以下略)」だった。あまりのカブリ様には、いやはや参った。

*1:ベテランの作家さんなのだが、なかなかこれといった文献資料が見当たらず往生していたので、非常に助かった。

「萠え」

昨日の「日経流通新聞*1裏面に「萌えを読み解く」と題した特集*2が載っていた*3。実はこの日経流通新聞なるもの、学生時代から大学の図書館で密かに愛読し、流通業界とは関わりのない今も購読している。特集記事などはトレンドを冷静な立場で分析しているのが面白くて、毎週月・水・金を心待ちにしているのだ。
この記事を目にして先月松山で行われた大正イマジュリー学会のシンポジウムで、「華宵萌え」*4なるテーマ展示の発表があり、懇親会で大いに盛り上がったのを思い出した。「萌え」という性的嗜好*5に関係する言葉が、どう展示に反映されているのか、怖いもの見たさ半分、興味津々であった。
翌日その展示を見学。極度のカオス状態を期待したのが悪かったのか、展示はわりとふつうであった。確かにアニメイトのような店*6の雰囲気に倣って、本当にいろいろと工夫が凝らしてあった。しかしそのとき、ある「モノ」が「展示」されると、すでに「モノ」は「作品」に変化し、そして観ている「われわれ」から遠く離れた存在になってしまうのだと強く感じずにいられなかった。「展示」するということは、実はかなり恐ろしい行為なのだ。

*1:現在は「日経MJ」と言うらしい

*2:2005年の浜銀総合研究所のレポートによれば2003年度の「萌え」関連市場は888億円とか

*3:ちなみに表面は「プロ野球経営 一年目は ソフトバンク辛勝」昨シーズンパ・リーグの新オーナーとなったソフトバンク楽天を比較分析した記事

*4:華宵=高畠華宵

*5:それも男性の

*6:こういう系の店ってなんていうんでしたっけ?ど忘れしてもうた